お知らせ

強化型イプシロンロケット(2号機)が、ついに肝付町にやってきました!

2016.10.07 up

1段モータが内之浦漁港に到着

9月12日、12時30分。イプシロンロケット2号機の1段モータ(宇宙にロケットを運ぶ推進力の部分。固体燃料が詰まっている)が肝付町内之浦漁港へと運ばれてきました。

もともとは11日に搬入予定でしたが、落雷の可能性があったため、いったん志布志港に停泊して、12日に延期されたのです。9月12日といえば、毛利衛宇宙飛行士が日本人として初めて宇宙に飛び立った「宇宙の日」。イプシロンに掲載する夢やメッセージを募集した、「肝付町×JAXA『イプシロンで夢を射とめよう!』プロジェクト」の最終日でもありました。そんな記念すべき日に肝付町にやってきたイプシロン。なにか運命的なものを感じますね 。

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悠然と内之浦漁港に現れた「わかなつ」

 

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白いシートに包まれているのがイプシロンの1段モータ。JAXAやIHI、役場の職員が見守る中、2つのクレーンで慎重に、ゆっくりと持ち上げられていきます。

 

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取材陣も固唾を呑んで見守ります。そばで見ていると、緊張感がひしひしと伝わってきました。

 

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1段モータは、そのままトランスポーター(ロケットを運ぶための、トラックのような特殊車両)に搭載。ちなみにこれ、今回の輸送のために新調されたイタリア・コメット社の特注車なのです。当日は日通の職員が運搬しました。

 

時速3キロの旅。無事に到着できるでしょうか?

内之浦漁港を出発したのは、夜20時45分頃。JAXA内之浦宇宙空間観測所へ、短いようで長い5キロの旅が始まります。1段モータをふくめ総重量170トンのトランスポーターは、人が歩くようなペースでゆっくりと進み始めました。

坂が急になるにつれ、負担がかかるのか「ゴゴゴ…」と大きな重低音を鳴らしながら、進むトランスポーター。グラビティに逆らいながら、力強く進んでいきます。タイヤに総重量170トンがのしかかり、ゴムが焦げたような匂いがしました。2013年の試験機では、発射場手前300メートルで、油圧系統が故障し立ち往生。はたして今回は…?

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内之浦の町をゆっくりとすりぬけるトランスポーター。

 

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満身創痍。残り150メートル!

 

 ロケットと一心同体のまち、きもつき

肝付町内之浦では、ロケットを無事に発射場まで送り届けるため、様々な工夫が為されています。橋にはロケット輸送時の重量に耐えられるよう補強工事が施され、道路のコーンは、ロケットが運ばれるときは取り外せるようになっています。普段は何の変哲もない小さな町が、この日はまるでロケットと一心同体のように様変わりするのです。

5キロの坂道を登りきり、JAXA内之浦宇宙空間観測所に到着したときには、午前0時を回っていました。ほっと胸をなでおろす職員たち。M台地に運ばれたイプシロンロケットは、今年度冬の打上げに向けて準備を進めていくことになります。

「イプシロンで夢を射とめよう!」プロジェクトで皆様から頂いた、6,467件の夢や応援メッセージは、肝付町とイプシロンの発展をイメージした新しいマークデザインの一部として機体に貼付されます。肝付町から宇宙へ。羽ばたくその日が楽しみですね。

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コーンの取り外しを行う作業員。

 

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電線がロケットにふれないよう、職員たちが確認します。

 

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ロケットの輸送のため補強された「広瀬橋」。

 

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無事についてよかったです、ありがとう」とイプシロンロケットプロジェクトチームサブマネージャ井元さん。

 

■■ ROCKET MEMO ■■

強化型イプシロンロケット(2号機)

需要が高まる小型科学衛星・小型地球観測衛星の打ち上げに対応するため、性能を向上し、衛星包絡域(衛星を収納する大きさ)を拡大した新型イプシロンロケット。2013年に打ち上がった試験機(初号機)よりやや大きく、フェアリング外に設けた2段モータの大型化により、打ち上げ能力がパワーアップしている。2016年度冬に打上予定。

(編集部 加藤)